マンガ、「チッチとサリー」の作者、みつはしちかこさんが、相田みつをさんの詩にイラストをつけた「詩画集」を発表した。そのタイトルが「あなたにめぐりあえてほんとうによかった」
新刊紹介の欄で見た表紙の「春」を感じさせる装丁。長年変わらない「チッチ」の夢見るような笑顔。ああ、今、この本手にとりたいなぁ

と思った。
今日、たまたま見た、別刷りの紙面で、今年70歳になる、みつはしさんのインタビューが載っていた。
ここ数年、病気や夫の死で休業していたが、再び筆を執った事で、元気を取り戻したと喜ぶ。求めすぎない事を諭し、普通の人の心を慰める相田さんの詩。みつはしさんのマンガも普通の人の味方。「あなたにあえてほんとうによかった」という言葉がチッチとサリーの世界にすんなりマッチしたという。
若い二人の絵を描いているうちに、身体もどんどん回復し、チッチとサリーにエネルギーをもらった。
50年も順調で来たこと、10代の子を描き続ける事に無理があるのでは・・と罪悪感があり、ずっと綱渡りをしていたという。病気をして休み、昔の作品を読み返すと、「なんだ、私って昔から言ってる事が変わってないじゃない。これでいいんだ」って、肩の荷が下りた。波乱万丈だったり、向上し続ける人生ではないけれど、少しづつ違う毎日を面白がる事、野の花のように、生きる事が私の人生なんだ。と結んでいる。
昔から変わってない自分。変わらない自分を受け入れられた事、チッチが自分を若返らせて、可憐にたくましく生きようと思わせてくれた事、年齢に関係なく、夢見たり、ときめいたりすることは大切。と生きている実感を語っているみつはしさん。
震災後、皆が「どう生きるか」を自分に問い直している今、「変わらなくていいんだ」「毎日を野の花のようにたくましく生きよう」は、キーワードになる。
東京に残る外国人に「まだ、東京に残りますか?」と問うと、「自分の人生、自分なりに腹をすえるしかない」という答えがあった。
私も腹を据えている日本人だ。